top of page

研究関心

環境問題の多くは人間活動に起因しています。そのため、問題の根本的な理解と解決には、自然科学的な視点のみならず、社会経済学的な視点が必要です。

 

私は自然環境の保全と持続的な利用の両立を目標に、社会経済的な視点から
政策立案・行動変容に寄与することを目的として、実証研究に取り組んでいます。
特に、資源の限られた我が国において、どのように予算や人材、時間を配分するのが効果的・効率的なのか、産業やビジネスとどう折り合いをつけるのか、社会科学的アプローチ、特に経済学、行動科学、マーケティングの知見に基づいて、『人間行動に立脚した生物多様性保全の促進』等に関する研究を続けています。

NEW!! 最近の研究をインタビュー記事としてまとめて頂きました 

世界を動かす環境問題への挑戦者たち
なぜ生物多様性の保全に「行動経済学」を用いるのか。
ネイチャーポジティブの新しいアプローチ

Research.png

< 専門 > 

 ​環境経済学、生物多様性経済学、保全マーケティング、 保全社会科学

< Team > 

チームでは 生物多様性保全 x 行動変容 に関心のある学生やPDを随時募集しています。 

主要トピック

保全マーケティング& 寄付行動

環境保全における資金不足は生物多様性に深刻な影響をもたらしています。私は実際の人々の募金/クラウドファンディング・データを分析し、寄付キャンペーンの成功(失敗)要因の解明に取り組んでいます(e.g., Kubo et al. 2021)。また、実務者と連携したフィールド実験にも取り組んでおり、これまでに国立公園での募金実験やSNSにおける広告介入実験等の成果を報告しました(e.g., Kubo et al. 2018; Kubo et al. 2022)。

  • 関連PJ:JSPS 海外特別研究員

    • Kubo et al. 2021. What determines the success and failure of environmental crowdfunding? Ambio 50(9), 1659-1669. Link / プレスリリース

    • Kubo et al. 2018. Voluntary Contributions to Hiking Trail Maintenance: Evidence From a Field Experiment in a National Park, Japan. Ecol. Econ. 144, 124-128. Link

観光 /

ツーリズム

自然環境を活用した観光は自然を直接消費せず、保全成果を直接的な経済収益に繋げることのできる産業です。

私は野生動物観察から得られる経済便益の算出(e.g., Kubo et al. 2019)や野生動物との軋轢緩和と観光の両立方法について研究を行ってきました(e.g., Kubo et al. 2016)。

また近年は、気候変動適応を念頭に、携帯電話ビッグデータを活用した沿岸域評価(Kubo et al. 2020)、合成写真を活用した高山帯評価(Mameno et al. 2022)に取り組みました。

  • 関連PJ:NIES 自然共生PG(PJ5)

    • ​Kubo et al. 2019. Wildlife viewing: The impact of money-back guarantees. Tour. Manag. 70, 49-55. Link  / 解説

    • Kubo et al. 2020. Mobile phone network data reveal nationwide economic value of coastal tourism under climate change. Tour. Manag. 77, 104010. Link / 解説

野生動物取引

​野生動物の取引は生物多様性の損失や感染症を引き起こしています。日本は世界でも有数の野生動物輸入国として知られていますが、実際に人々の需要や市場に関する科学的な知見は殆どありません。私は最先端の因果推論手法を応用することで、エキゾチック・ペット取引に対する国内規制の評価に取り組んでいます(Kubo et al. Preprint)。また、ワシントン条約等の規制を念頭に象牙等に関する人々の関心や需要、行動要因の把握に取り組んでいます(e.g., Thomas-Walters et al. 2022)。

  • 関連PJ:NIES 自然共生PG (PJ5)​ / NIES 所内公募

    • Kubo et al. Banning wildlife trade can boost demand for unregulated threatened species. (Preprint)

    • Thomas-Walters et al. 2022. Understanding the market drivers behind the reduced demand for ivory products in Japan. Cons. Soc.

農業庭園

食・農業 &

生物多様性保全

農地生態系では食糧生産と生物多様性保全、軋轢緩和という複数の目的を同時に達成することが求められていますが、そのための政策や施策のデザインは簡単ではありません。

私は「環境配慮型」農産物の市場メカニズム解明を通じて、上記目的を同時満たすマーケティング手法・仕組みの構築に取り組んでいます(Mameno et al. 2021, 2023)。

また生態学者等と連携し、農業生産と生物多様性保全のトレードオフの解明、野生動物保全と軋轢緩和の両立に向けたシナリオ解析に取り組んでいます(Kubo & Shoji 2014)。

  • 関連PJ:JSPS 基盤B / NIES 自然共生PG(PJ1)

    • Mameno et al. 2021. Price premiums for wildlife-friendly rice: Insights from Japanese retail data. Cons. Sci. Pract. 3:e417. Link

    • Kubo & Shoji. 2014. Spatial tradeoffs between residents’ preferences for brown bear conservation and the mitigation of human–bear conflicts. Biol. Cons. 176, 126-132. Link

bottom of page